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職場不倫のリスク


職場は多くの方において1日の大半を過ごす場所かと思います。上司や同僚と一緒に仕事をする中で、関係が深まることもあるでしょう。実際、浮気相手・不倫相手との出会ったのは職場だった、というのは非常に多いケースです。


職場での不倫が抱える法的リスク


まず、これは一般的な不倫と変わりませんが、民法上の不法行為(民法709条)として、相手の配偶者に対する損害賠償責任を負います。慰謝料の相場は50万円から300万円程度ですが、不倫の態様によってはさらに高額になることもあります。


第二に、会社からの懲戒処分のリスクです。不倫それ自体はプライベートな問題ですが、職場の秩序を乱す行為として、就業規則に定められていれば、処分の対象となる可能性があります。


第三に、離婚のリスクです。不貞行為は民法770条1項1号の裁判上の離婚事由に該当し、自身の配偶者から離婚を求められた場合、拒否することは難しいでしょう。


会社に発覚した場合の影響


職場不倫が会社に発覚した場合、以下のような影響が生じると考えられます。


懲戒処分の可能性と法的根拠


不倫はプライベートな問題ですが、就業規則に「会社の秩序を乱す行為」「会社の名誉・信用を毀損する行為」などの規定がある場合、懲戒処分の対象となり得ます。


ただし、懲戒処分が有効となるためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる必要があります(労働契約法15条)。実務上、不倫のみを理由とした懲戒解雇や降格などの厳しい処分は、よほど悪質な場合でない限り、無効と判断される可能性が高いです。


懲戒処分の対象となりやすいケース


業務上の公正性を欠く行為があった場合

例えば、不倫相手に対して不当に優遇する(人事評価など)などがこれに該当します。


職場の秩序を著しく乱した場合

相手の配偶者が会社に乗り込んできた、社内で大きな騒動になった、業務に支障が出たなどのケースです。


会社の信用を損なった場合

例えば取引先関係者との不貞行為などの場合では、会社として、取引先からの信頼を失ってしまうことにも繋がります。特に金融機関、教育機関、コンプライアンスを重視する企業などでは、「不倫をする=嘘をつく」というイメージが会社の信用に直結するため、その影響は大きくなりがちです。処分が厳しくなる傾向があります。


配置転換の法的位置づけ


同じ部署に不倫関係の当事者が在籍し続けることで職場環境が悪化する場合、会社は配置転換を命じる可能性があります。これは懲戒処分ではなく、人事権の行使として行われます。


ただし、配置転換が著しく不利益(大幅な減給を伴う降格、通勤困難な遠隔地への転勤など)である場合、権利濫用として無効となる可能性もあります(労働契約法3条5項)。


社内での信用失墜


法的な処分がなくても、社内での信用失墜も大きなリスクです。


例えば、懲戒処分を受けなかったものの、社内に居づらくなり結果的に自主退職を選ばざるを得なくなるケースは少なくありません。


退職勧奨への対応


会社から退職を勧められる(退職勧奨)ことがありますが、これに応じる法的義務はありません。退職するかどうかは、あなた自身が判断すべき事項です。


ただし、退職勧奨を受けた状態で会社に居続けることは、精神的に困難な場合が多いのが実情です。このような場合には、弁護士に相談し、退職条件の交渉(退職金の上乗せ、離職理由の記載方法など)を行うことも選択肢になると思います。


相手方の配偶者からの慰謝料請求にどう対応するか


不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された場合、法的にどのように対応すべきかを解説します。


慰謝料の相場と算定要素


職場での不倫の慰謝料も、一般的な不倫と同様50万円から300万円程度が相場です。ただし、以下の要素によって金額は大きく変動します。


増額要素


✔️ 不倫期間が長い(1年以上)

✔️ 不倫回数が多い

✔️ 相手の婚姻期間が長い

✔️ 相手夫婦に子どもがいる

✔️ 不倫が原因で離婚に至った(この場合200万円以上になることが多い)

✔️ 不倫を主導した側である


減額要素


✔️ 不倫期間が短い(数ヶ月程度)

✔️ 不倫回数が少ない

✔️ 相手の婚姻関係がすでに破綻していた

✔️ 不倫相手に誘われた側である


なお、慰謝料の相場や算定要素については以下の記事でも詳しく解説していますのでご参考ください。


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高額な慰謝料請求への対応


相手方の配偶者が感情的になり、500万円、1000万円といった相場を大きく超える金額を請求してくるケースがあります。


このような場合、突然の請求で不安になり請求額をそのまま支払ってしまいたくなるかもしれませんが、まずは弁護士に相談して適正な金額まで減額交渉を行いましょう。相手と直接交渉することは感情的な対立を招き、かえって事態を悪化させる可能性がありますので、かならず弁護士に相談してください。


謝罪の重要性と注意点


相手の配偶者の精神的苦痛は現実に発生しているものなので、まずは誠実に謝罪することが、問題解決の第一歩です。


ただし、謝罪の際に注意すべき点があります。過度に具体的な事実を認めたり、不用意に高額な支払いを約束したりすることは避けるべきです。特に、相手から提示された念書や合意書に安易に署名することは危険です。


ここでも、謝罪を行ううえでその対応は弁護士に相談したうえで行うのがよいでしょう。


なお、念書や誓約書に関しては以下の記事でも解説しております。


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口外禁止条項の重要性


示談書を作成する際、以下の条項を盛り込むことを推奨しています。



🖊️ 「本件について、第三者(職場関係者を含む)に口外しない。違反した場合は違約金として○○万円を支払う」


この条項により、示談書に拘束される当事者が所属する会社に報告するリスクを軽減できます。


相手から請求があったらすぐに弁護士に依頼すべき


慰謝料請求があった場合だけでなく、配偶者に発覚し、請求の予告があった時点で、すぐに弁護士に相談すべきです。


弁護士に依頼することで、適正な慰謝料額の算定、相手との交渉、示談書の作成まで、すべて代理で行うことができます。また、相手と直接やり取りする必要がなくなるため、精神的負担も大幅に軽減されます。


また、非常に重要なこととして、弁護士が入った以降は、相手方も基本的に弁護士としか話すことができません。そのため、会社や第三者に連絡されてしまうリスクを大幅に減らすことができます。弁護士であれば、交渉を依頼された際に、会社等に連絡した場合は、それを不法行為として訴えるのでやめるように、と警告します。これにより、相手方の動きを止めることができるのです。


慰謝料のみでなく会社への対応なども含め、早めに相談されることをお勧めします。


弁護士が勧める具体的対処法


職場不倫が発覚した、または発覚しそうな状況にある場合、以下の対応をお勧めします。


関係の整理について


「直ちに関係を解消すべき」というのが原則です。不倫関係を継続することで、慰謝料額は増額し、会社からの処分も厳しくなることが考えられます。少なくとも職場での接触を最小限に抑え、証拠となる連絡(メール、LINE等)を控えることが重要です。


会社からの聞き取りへの対応


人事部から呼び出された場合、嘘をつくことは絶対に避けてください。すでに証拠について押さえられている可能性が高く、虚偽の説明は懲戒事由を増やすだけです。


ただし、何をどこまで話すべきかは慎重に判断する必要があります。可能であれば、人事部との面談前に弁護士に相談し、対応方針を決めることをお勧めします。


退職勧奨への対応


会社から退職を勧められても、法的にはこれに応じる義務はありません。退職するかどうかは、あなた自身が決定すべき事項です。


ただし、退職を選択する場合、退職条件について交渉の余地があります。退職金の上乗せ、離職理由の記載方法(自己都合か会社都合か)、有給休暇の消化など、弁護士を通じて交渉することで、より有利な条件を引き出せる可能性があります。


「会社に報告する」という脅しへの対応


相手の配偶者から「このことを会社に言う」と脅された場合、法的には名誉毀損や脅迫に該当する可能性があります。


ただし、こうした点を指摘しても、むしろ感情的になり相手の行動を過激化する恐れがあります。こうした脅しがあった場合には、ただちに弁護士に相談し、相手方の動きを止めてもらうことが得策でしょう。


配偶者への対応


自身も既婚者である場合、配偶者への誠実な対応も重要です。


法律的には、配偶者は離婚請求権(民法770条1項1号)と慰謝料請求権を有しています。離婚を望まない場合でも、配偶者が離婚を求めれば、最終的に離婚が成立する可能性が高いです。


誠実に謝罪し、今後の夫婦関係について真摯に話し合うことが、問題解決の第一歩です。


弁護士に依頼するメリット


職場不倫の問題は、民事上の不法行為、労働法上の問題、家族法上の問題が複雑に絡み合います。弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。


慰謝料の適正化


私の経験では、相手から請求された金額が相場を大きく超えているケースが少なくありません。弁護士は、判例や過去の事例に基づいて適正な慰謝料額を算定し、法的根拠を示しながら減額交渉を行います。


不倫期間が短い、回数が少ない、相手の婚姻関係がすでに破綻していたなどの減額事由がある場合、大幅な減額が可能なこともあります。


示談交渉の代理


相手の配偶者との直接交渉は、感情的な対立を招き、冷静な判断を困難にします。弁護士が間に入ることで、感情的なやり取りを避け、法的に妥当な内容の示談を成立させることができます。


特に、口外禁止条項の設定、分割払いの条件、清算条項(これ以上の請求はしないという条項)の確保など、法的な観点から適切な示談書を作成できます。


会社への対応支援


懲戒処分が不当に重い場合、配置転換が権利濫用に当たる場合など、会社の対応が法的に問題がある場合には、弁護士を通じて会社と交渉することができます。


また、退職を選択する場合でも、退職条件について有利な交渉を行うことが可能です。


守秘義務による安心感


弁護士には法律上の守秘義務(弁護士法23条)があります。相談内容が外部に漏れることはありません。安心してすべての事実を話し、最適な解決策を一緒に考えることができます。


総合的な解決策の提案


職場不倫の問題は、慰謝料の支払いだけでは終わりません。会社での立場、家庭の問題、経済的な問題など、すべてを考慮した総合的な解決策が必要です。


弁護士は、あなたの状況を総合的に分析し、法的観点から最善の解決策を提案します。


最後に:弁護士からのアドバイス


職場での不倫は、民法上の不法行為として慰謝料請求の対象となるだけでなく、会社での懲戒処分、キャリアへの悪影響、家庭の崩壊など、多方面に深刻な影響を及ぼします。


早期対応の重要性


職場不倫の問題は、時間が経過するほど解決が困難になります。関係が長期化すれば慰謝料は増額し、会社での処分も厳しくなります。相手の配偶者の怒りも増幅していきます。


問題が表面化する前に、または表面化した直後に、適切な対応をとることが重要です。


弁護士相談をフルに活用する


職場での不倫に関する問題は、法律の専門知識なしに対応することは困難です。相手との交渉、会社との対応、家庭問題への対処など、すべてに法的な知識と経験が必要です。


弁護士は、守秘義務のもと、あなたの状況を総合的に分析し、最適な解決策を提案します。一人で抱え込まず、早めに相談することで、より良い解決が可能になります。


職場不倫の問題は、あなたの人生に大きな影響を与えます。しかし、適切な対応をとることで、被害を最小限に抑え、新たなスタートを切ることができます。弊所では、LINEでいつでもお気軽にご相談いただけます。悩んでいたら、すぐにご相談ください。