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サンキュー事故とは?どんな仕組みで起こるのか

サンキュー事故とは、優先関係のある車が進路を譲ったことをきっかけに発生する交通事故の通称です。


たとえば、交差点で右折待ちをしている車に対して、対向車線の直進車が「どうぞ」と進路を譲ったとします。譲ってもらった右折車が進んだところ、直進車の陰から現れたバイクや自転車と衝突してしまった、これがサンキュー事故の典型的なパターンです。


道を譲ってくれた車に「ありがとう(サンキュー)」と感謝する場面から事故が起こることがあるため、サンキュー事故と呼ばれます。


サンキュー事故の例

サンキュー事故が起こる典型パターン

サンキュー事故は、おもに次の3つの場面で発生します。

□サンキュー事故の場面

  • 交差点での右折時:対向の直進車に進路を譲ってもらい右折したところ、死角から現れたバイクや自転車と衝突する

  • 渋滞中の交差点:渋滞で停止した車が道を開けてくれたため右折を開始したところ、死角から現れたバイク等と衝突する

  • 駐車場やコンビニの出入口:駐車場に入るために右折しようとした車に対向車が道を譲り、右折したところで死角から現れたバイクや自転車と衝突する


いずれのパターンにも共通しているのは、「譲ってくれた車が死角をつくってしまう」という点です。譲られた運転手には「早く行かなければ相手に悪い」という焦りの心理が生まれやすく、その結果、周囲の安全確認がおろそかになってしまうことがあります。


とくにバイクや自転車は車体が小さく死角に入りやすいため、サンキュー事故では被害が大きくなりやすい傾向があります。むちうちなどのケガを負うケースも少なくありません。


むちうちに関しては、以下の記事もご参考ください。


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道を譲った車に責任は問えるのか

「そもそも道を譲ってくれた車がいなければ事故は起きなかったのに」と思う方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、結論としては、道を譲った車に対して事故の責任を問うことは原則としてできません。


サンキュー事故で問題となるのは、基本的に「右折車」と「直進車(バイク・自転車など)」の安全確認や進行方法です。道を譲られた場合でも、右折する運転手には周囲の安全を十分に確認したうえで進行する義務があり、「譲ってもらったから安全だと思った」という主張は、基本的には過失を軽くする理由にはなりません。


サンキュー事故の過失割合の目安【ケース別】

過失割合とは、事故が起きた責任が当事者それぞれにどれくらいあるかを示す数値のことです。この割合によって、最終的に受け取れる賠償金の金額が変わるため、被害者にとって非常に重要なポイントです。


サンキュー事故の過失割合は以下の要素によっても変わってきます。

✔️ 事故の相手がバイク(二輪車)か自動車か

✔️ 事故現場に信号機があるかないか

✔️ 事故発生時の信号の色(青/黄/赤 など)


以下では、おもなケース別に過失割合の目安をご紹介します。なお、ここでご紹介する数値は「別冊判例タイムズ38」を参考にした一般的な目安です。実際の過失割合は、事故の具体的な状況によって変わる可能性がありますのでご注意ください。


自動車とバイク(二輪車)の場合

サンキュー事故の多くは、右折する自動車と直進するバイクの間で起こります。一般に、右折車には直進車より慎重な安全確認が求められるため、基本の過失割合は右折車側が大きくなりやすい傾向にあります。加えて、二輪車は車体が小さく見落とされやすいこと等から、状況によっては四輪車同士の事故よりも右折車側が重く評価される場面があります。


ケース

直進バイク

右折自動車

信号機あり(双方とも青信号で進入)

15

85

信号機なしの交差点

15

85

渋滞中の道路(バイクがすり抜けて直進)

30

70

信号機のある交差点では、双方が青信号であっても右折車の過失が大きく評価されやすい傾向にあります。これは、右折車に対し直進車の有無や死角の安全確認をより慎重に行うことが求められるためです。


また、渋滞中のケースでは、バイク側にも周囲状況に応じた注意(進路前方の危険予測や速度調整など)が求められることがあり、他のケースと比べてバイク側の過失がやや大きくなることがあります。特に渋滞中のすり抜け行為などを行っている場合は過失がたかくなると考えられます。


なお、信号の色が当事者間で異なる場合(例:一方が赤信号で進入した場合など)には、過失割合は大きく変動します。上記は代表的な目安としてお考えください。


自動車同士の場合

サンキュー事故は自動車同士でも起こります。直進車の後ろを走っていた別の車が、譲った車の横を通過しようとして右折車と衝突するケースです。

ケース

直進自動車

右折自動車

信号機あり(双方とも青信号で進入)

20

80

信号機なしの交差点

20

80

自動車同士の場合、バイクの場合と比べて直進車側の過失がやや大きくなる傾向にあります。これは、バイクが「交通弱者」として過失の面で配慮されるのに対し、自動車同士では対等な立場と考えられるためです。


ただし、自動車同士であっても右折車のほうが過失は大きくなります。右折車は、直進車よりも慎重な安全確認義務を負っていることに変わりはないからです。


過失割合は、最終的に受け取れる賠償金に直結します。たとえば、損害額が100万円で過失割合が「直進車20:右折車80」の場合、直進車側の被害者が受け取れるのは80万円です。反対に、過失割合が「30:70」になると受け取れるのは70万円に下がります。このように、わずかな過失割合の差が賠償金額に大きく影響するため、提示された過失割合が本当に適正かどうかをしっかり確認することが大切です。


まとめ

サンキュー事故は、道を譲ってもらったことがきっかけで起こるという特殊な事故です。


サンキュー事故は、事故状況が複雑になりやすく、過失割合をめぐって保険会社と意見が食い違うことも珍しくありません。「提示された過失割合が正しいのかわからない」「自分の過失が高すぎるのでは?」と感じた場合は、弁護士に相談することで、適正な賠償に近づける可能性があります。


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